青森県クリスタルバレイ構想の見直しが必要
青森県クリスタルバレイ構想の中核企業であった、ベンチャー企業、エーアイエスが昨年破綻をして、その後継企業に相和物産が突然浮上してきました。
ほとんど議論されることも無く、オーダーメイド貸し工場の利用が総和物産によって始められ、現在に至っております。
エーアイエス破綻の時に、県には2つの選択肢がありました。
1. オーダーメイド型貸し工場に青森県が20.7億円の債務保証をしており、青森銀行とみちのく銀行に返済して事業を終結させる
2. 債務保証の20.7億円に加えて約8億の新たな追加投資をして、新しい企業に事業を継続させる(総和物産)
3. サンテックが工場資産を妥当な評価額で買取、事業を存続させる。
県は、2の選択肢、相和物産に事業継続させることを選びました。これによって、事業破綻の責任を誰も取る必要がなくなったのです。
青森県いわく、「事業は失敗ではない、後継企業が県の債務保証を20年かけて返してくれるので、県民の税金29億円は回収できるのだ」と。
まさに問題先送りでした。
一度失敗した事業に、新たに税金を投入させ事業の延命を行うなど、常識では考えられない県の対応でした。
しかも、後継企業は、輸送業を生業とし、その親会社は建設会社で、およそ製造業、液晶産業とは関係の無いものでした。
私は、液晶産業は、海外と競争していかなくてはならなく、価格競争が激しく、常に技術革新が必要な産業で、とても利益をあげられない産業で、とても地元企業で運営していける産業ではないと主張し、今すぐ損切りをしてこの事業から撤退するべきだと主張しました。
しかし、県議会では、自民、公明健政会による賛成多数で29億円の県税投入が可決成立してしまいました。
さすがに、相和物産単独で事業継続は無理と判断し、アメリカの液晶産業企業のサンテックとの合弁会社設立を条件に県費投入が決められたのです。
県が順調に合弁会社設立に向けて協議中だと説明していたのにもかかわらず、結果的には、相和物産側が合弁会社設立に向けた覚書を守らないため、サンテック側は、ビジネスの基本は、信用であり、約束を守らない企業とは一緒に仕事はできないと、合弁会社設立の白紙撤回を県に報告しました。
県費29億円の投入の大前提は、相和物産とサンテックの合弁会社設立です。
その合弁会社設立がなくなった今、青森県は、原点にかえり、オーダーメイド型を今後どのようにしていくのか、新しいスキームを作り上げていくべきです。
私は、青森県の不透明なやり方が今回の失敗の最大の問題点だと思います。
全てをオープンにし、何が県民のためになるのかをしっかり議論し、公平公正な仕組みを作っていかなくてはならないと思います。
そのために、全力で頑張ります。
応援宜しくお願いいたします。
平成23年10月19日
青森県議会議員 渋谷 哲一