平成26年11月 第280回定例会一般質問

民主党会派の 渋谷 てつかず です。

通告に従い、一般質問を行います。

 

「賃金は、必ず上がり、国民生活は、豊かになる。景気回復は、この道しかない」と訴え、安倍総理は、衆議院を突然、解散いたしました。

そもそも、総理が実績を強調する安倍ノミクスとは一体、どのようなものなのでしょうか。

「金融緩和、財政出動、成長戦略」の三本の矢は、自民党政権がこれまでも行ってきた手法であり、何が違うのでしょうか。

地方では、景気回復の実感は全くなく、公共事業による財政出動は、震災復興の緒に就いた東北地方の人件費や材料費を高止まりさせ、むしろ、復興の妨げとなっております。

バブル崩壊後、幾度となく財政出動がなされましたが、景気回復に結び付くことはなく、借金だけが増え続ける結果となっています。

国民生活の豊かさを示す指標である、実質賃金指数は、前年同月比3%減となり、15ヶ月連続で減少しております。

このような状況で、国民の生活が豊かになったと感じている人は、どれだけいるのでしょうか。

 

安倍総理が放ったといわれている3本の矢とは、むしろ、国民の生活に、しっかりと突き刺さり、いくら折ろうと思っても折れない、3本の赤い矢ではないでしょうか。

1本目の矢は、1000兆円を超える国の借金

2本目は、国家予算の半分を借金で賄う異常ともいえる赤字予算でありながら、それを是正できない問題先送り体質の政治

そして、3本目は、円安が進んでも改善しない国の貿易赤字

わが国は、今や、借金に依存して国家運営を行い、国際社会での競争力を失いつつある国となっているのです。

この問題を解決する方向が示され、具体的に実行されない限り、わが国の景気回復はあり得ないのではないでしょうか。

 

今、日本は、変わらなければならない時に来ております。

それにもかかわらず、かつて、高度成長期に、国民の生活が豊かになり、日本を経済大国へと押し上げた成功体験が、日本の変革を妨げております。

 

 

私には、安倍総理が、「この道しかない」と訴えている道は、これまでも歩んできた道であり、大人が作った重い荷物を、既に、私たちの子供たちに背負わせながら、今の生活を続けるために更なる荷物を孫たちにまで背負わせようとしている「道」にしか見えないのです。

世界は、時代とともに大きく変わっております。

にもかかわらず、日本の政治は、未だに、これまでと何ら変わらない政策を繰り返しているだけです。このような状況で、本当に景気が回復すると信じているのでしょうか。

 

国民は、政治に変わってほしいとのメッセージを出し続けております。

民主党が政権交代を成し得たのも、それまでの長い自民党政治を変えてほしいとの願いからでした。しかし、政権に就いた民主党は、その期待に応えることができず、わずか数年で国民からノーを突きつけられ、変わって安倍政権が誕生しました。自民党は、少しは変わったのではないか、新しい政治が行われるのではないかといった期待感が、景気回復のエネルギーとなっただけではないでしょうか。残念ながら、期待感だけでは、景気は回復しません。

国民の願いは、自民党だろうが民主党だろうが、どの党でも構わない。私たちの生活を少しでも良くしてもらいたい、ということであり、今回の衆議院選挙が、国民の声を聞き、国民のための政治が行われる新しい一歩となることを切に願っております。

 

 

さて、このような国の将来に繋がる国政選挙の最中、三村知事は、知事4期目への出馬を県議会において表明いたしました。

 

「権力は、腐敗する」ということは、歴史が証明しており、近年の自治体の長も、3期12年を一区切りとしているようです。マスコミ報道では、自民党でも、党の規約により推薦は3期までとしているようで、今回は、青森県連推薦という特別な形となっていると伺っております。

多選の批判を受けるリスクを背負いながら、敢えて4期目に出馬を決意した三村知事には、並々ならぬ思いがあることと推察いたします。

特に、青森県には、国策と深くかかわっている様々な課題があります。

安全安心な食料の供給と核燃サイクルを中心としたエネルギー供給、そして、北の守りともなる防衛の各分野では、国民のために、本県が責任と誇りを持って取り組んできた政策であります。

 

知事は、今後、どのような県政運営をめざしているのか、次の4つの分野でお伺いいたします。

(1)本県農業の持続的発展に向けた「攻めの農林水産業」の展開について

(2)県民の健康と命に係わる取り組みについて

(3)県民が働きやすい環境の構築について

(4)核燃サイクル政策について

 

まず始めに、本県の農業を持続し発展させていくための取り組みについてお伺いいたします。

 

本県の農林水産業は、青森県の主力産業です。それにもかかわらず、農家は高齢化し、若い担い手が増えないという厳しい状況が続いております。所得が安定せず、将来設計が描けない農家から、このままでは農業を続けられない、との悲痛な叫びが聞こえてきます。

いくら良いものを作っても、販売先が無くては、農業を続けられません。販売先を、いくら確保しても経費倒れとなっては、農業を続けることはできません。農業にも、経営という意識が必要不可欠です。

既に、国際社会では、食料の争奪戦が始まっており、欲しいものを安く手に入れる時代は終わろうとしております。食の安全を脅かす事件も頻発しており、国民の生命線ともいえる食料は、いずれ自国で育てていく事が必要となってまいります。そのためにも、青森県は、地域農業を担う経営体を育成していかなくてはなりません。国際競争力を磨きながら、コスト削減をし、市場のニーズに応えて安定供給を図る体制を県の強いリーダーシップによって構築していかなくてはなりません。

 

ア)県は、これまでの「攻めの農林水産業」の成果と課題をどのように捉え、今後の施策を展開していくのかお伺いいたします。

イ)本県農業の持続的発展に向けて、三村知事は、地域農業を担う経営体を、どのように育成していくのかお伺いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

次に、県民の健康と命を守る取り組みについてお伺いいたします。

近年、県内のマスコミを中心に、「短命県返上」というキャンペーンが盛んに展開されております。全国一の短命県という事実を、県民一人ひとりが認識することとなったのではないでしょうか。まずは、県民の自覚が大切です。

例えば、県民の死因の第一になっている癌への対策は、青森県立中央病院を拠点病院とし、患者により添うべくチーム医療や緩和ケア、先進技術の導入、また、地域医療連携などの体制を構築し、劇的に変わってまいりました。

しかしながら、その一方で、検診率は、未だに30%程度にとどまっている事実を見ると、まだまだ県民の健康に対する意識は低い、と言わざるを得ません。

まず、県民に現状を知り、問題を共有し、県と県民が一体となって課題に取り組むことが、短命県返上の鍵だと思われます。

 

ア)三村知事が就任以降の平均寿命延伸に向けた取り組みについてお伺いいたします。

イ)県民の平均寿命延伸に向けた今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。

 

次に、県民が働きやすい環境の構築についてお伺いいたします。

青森県の有効求人倍率(季節調整値)は、昨年10月の0.72倍から上昇し、本年5月の0.83倍をピークに、減少に転じ、10月には、0.77倍となりました。

ちなみに、本県と最下位を争っている沖縄県は、昨年10月の0.59倍から上昇を続け、本年10月には、0.76倍と、本県とほぼ同じ水準となり、逆転されるのも時間の問題と思われます。

確かに、これまでより数値は改善しているものの、全国的には、半数以上の都道府県の有効求人倍率は1.00倍を超えており、青森県では、働きたくても働く場所がないという状況は依然として続いております。

若い人たちが働きたくても働く場所がない。正社員になれない。給料が低く、いくら働いても暮らしていけない。再就職できない。といった厳しい声ばかりです。

全ての県民が、安心して働くことができ、働くことへの意欲が持てる青森県の職場環境を築いていくことが必要です。

 

 

 

 

 

まず始めに、職場への定着に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。

学校を卒業して正規職員として採用されても、短期間で離職してしまうケースが多くみられます。

働き始めてみると、現実とのギャップが大きく、ミスマッチとなって離職する若者が多いと伺っております。働く若者の意識改革と、企業による働く環境改善の双方への取り組みが必要です。

ア)新規学卒者の離職率の状況と若年者の職場定着に向けた県の取り組みの内容についてお伺いいたします。

 

次に、正規雇用化についてです。

政府の政策により、非正規雇用の割合が、増え続けております。

非正規雇用が増えれば増えるほど、県民の生活が不安定となり、特に、若者は、結婚や出産を躊躇する事態となり、少子化に拍車をかけているのではないでしょうか。正規社員となり、安心して、安定して働いて暮らしていける環境を少しでも増やしていくべきです。

 

イ)本県の、正規雇用者と非正規雇用者の割合の状況と非正規雇用者の正規雇用化に向けた県の取り組みの内容についてお伺いいたします。

 

次に、育児休業制度についてお伺いいたします。

この制度は、出産や子育てが働く女性の不利益とならないよう、社会全体で支援していくというものです。

人口減少や少子高齢化が急激に進む現状では、女性の職場での活躍や、それを支える職場環境が、青森県の活力となっていきます。

人口の少ない北欧の国々では、積極的に女性労働力を活用する施策がとられ、国民生活を豊かにする原動力となっております。

残念ながら、本県では、制度はあるが、利用しにくいといった状況が、まだまだあると思われます。男性の制度利用も進んでいません。

県内全ての働く女性が、安心して働ける環境を築き上げることこそが、更なる女性の就労を促していくのではないでしょうか。そのためにも、育児休業制度の利用促進への取り組みが必要です。

 

ウ)県内における育児休業制度の利用状況と復職状況についてお伺いいたします。

エ)また、育児休業制度の利用拡大に向けた取り組みについてお伺いいたします。

次に障害者雇用についてお伺いいたします。

 

障害を持った方々も、障害の程度にかかわらず、社会の役にたちたいという思いを持っており、働いて自立していくことが、障害者の生きる力となります。私たち自身も、誰かの役にたち、社会に貢献することが、生きがいとなっているのではないでしょうか。

残念ながら、本県の長引く経済の低迷などにより、障害を持った方々の社会参加はなかなか進んでいないのが現状です。

障害者雇用促進法では、事業者に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇うことを義務付けており、この法律により、障害者雇用が着実に進んでいくものと思われます。

この問題は、社会全体で取り組んでいかなくては、解決できない課題です。

県内企業の取り組みを後押しするためにも、県が率先して、障害者雇用率の遵守と、更なる雇用率アップに努めていかなくてはならないのではないでしょうか。

 

オ)県内の行政機関及び民間における障害者雇用状況について、お伺いいたします。

カ)また、障害者の雇用率を高めるための取り組みについても、お伺いいたします。

キ)県教育委員会の障害者雇用率の推移はどのようになっているか。そして、法定雇用率を達成している都道府県は、全国でどのくらいあるのかお伺いいたします。

ク)県教育委員会の障害者雇用のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。

ケ)最後に、県教育委員会では、障害者雇用率の改善に向けて、今後どのような取り組みを実施していくのかお伺いいたします。

 

次に、いわゆる3K職場といわれていた、看護師、介護職員、保育士の労働環境についてお伺いいたします。

この分野での職場では、働く女性の割合が高く、重労働でありながら給料が低いといった、働く環境の改善が求められてきましたが、未だ実現されておりません。

これらの労働環境を改善することが、女性の就労を促し、県民の医療、介護、そして子育て支援を更に進めていく力となるのではないでしょうか。青森県の現状と対策をお伺いいたします。

まず、看護師等の労働環境について

 

コ)看護師等の需給の状況について県の認識をお伺いいたします。

サ)看護師等の勤務実態について、県の認識をお伺いいたします。

 

一旦、離職した看護師は、復職が難しいといわれております。

 

シ)看護師等の離職防止及び再就業促進のための県の取り組みについてお伺いいたします。

 

次に、介護職員の労働環境についてお伺いいたします。

 

私は、県内の介護職員から切実な訴えを受けました。

その内容は、

「介護職員として働いても給料が安く、家族3人で暮らしていけない。その上、サービス残業が慢性化して、仕事もきつく、このままでは、とても続けていけない。監督署に相談しても、結局何も変わらない。」とのことでした。残念ながら、その男性は、結局、離職いたしました。

おそらく、このような事例が他にもたくさんあるのではないでしょうか。

県が、率先して、これらの問題を解決していくべきです。

 

ス)県内の介護職員の就業実態についてお伺いいたします。

セ)利用者に対するサービスの質を向上させていくためには、介護職員の処遇を改善していく必要があると考えますが、県では、どのように処遇改善を図っていくのかお伺いいたします。

ソ)また、国が行った介護職員処遇改善加算について、制度の趣旨通り介護職員に適正に支給されているのかが心配です。介護職員への支給状況を県ではどのように把握しているのかお伺いいたします。

 

次に、保育士の労働環境について

 

タ)県内の保育士の就業状況の実態についてお伺いいたします。

チ)質の高い保育士の育成・確保を図るため、県では、保育士の処遇改善についてどのように対応していくのかお伺いいたします。

 

 

次に、女性が働きやすい環境を作るための病児保育についてお伺いいたします。

幼い子供は、突然、熱をだし、病気になりがちなため、女性が働きづらい一因ともなっております。周りに支える家族がいない場合、子供の突然の病気は、働くお母さんにとっては、切迫した問題となります。社会全体で子供を育てるという視点からも、支援が必要と考えます。

 

ツ)県内の病児保育の実施状況についてお伺いいたします。

テ)子育て支援の充実を図るため病児保育を拡充していくべきと考えますが、県は、どのように推進していくのかお伺いいたします。

 

最後に、青森県のエネルギー政策についてお伺いいたします。

人類の歴史は、食料とエネルギー確保の歴史でもあります。

そして、国の最大の責務は、国民の生活を守り、持続させていくことであります。

東日本大震災後、本県でも、大規模な停電が各地で起こり、物資が不足し、改めて、私たちの生活が、エネルギーに支えられていることに気づかされました。もはや、私たちの生活は、電力なしでは成立しない社会になっております。

 

2014年のエネルギー基本計画では、次のように日本の現状が記述されております。

福島第一原子力発電所の過酷事故以降、国内全ての原子力発電所が停止し、2012年の我が国のエネルギー自給率は6.0%まで下がりました。化石燃料への依存率は、震災前の6割から9割へと激増し、その影響で、日本の貿易収支は、2011年に、31年ぶりの赤字となり、2013年には、11.5兆円という過去最大の赤字幅となりました。

中東地域への原油の依存率は83%、LNGで30%です。

ひとたび、中東地域で紛争が起これば、日本への原油供給が止まってしまいます。それによって国内の火力発電所も稼働を停止します。

また、現在は、アメリカのシェールガスのお蔭で原油価格が低下しておりますが、いつまでも続くわけではありません。いずれ、原油価格は、限りある資源として高騰し、日本経済の根底を揺るがす事態となります。

エネルギーの安全保障、経済、地球温暖化問題など、どの観点からも、わが国は、危機的状況にあります。

 

 

 

現在、地球温暖化対策を話し合う国連の会議COP20では、京都議定書に代わる、新たな枠組みを作る作業が進められております。CO2の最大排出国であるアメリカと中国を加え、全ての国々が参加する協定を目指しており、日本としても、国際社会に向けて、しっかりした対策を打ち出していく責任があります。

勿論、太陽光発電や風力発電などに代表される再生可能エネルギーによって、国内の電力を100%供給できることが理想だと思いますが、今すぐの達成は、現実的ではありません。

それが実現できるまで、多種多様な電源を確保し、日本のエネルギー供給を守っていく必要があります。

 

青森県は、これまで、政府とともに、エネルギーのベストミックスを確立するために、核燃料サイクルを推進してきました。今や、青森県は、この分野では世界の中心的存在といっても過言ではないと思います。

私は、今後、日仏米英の4か国が協力し、地球温暖化問題に対して積極的に取り組み、世界のエネルギーと温室効果ガス削減問題解決を目指していくべきと考えます。

そのためにも、わが国には、解決すべき課題があります。

それは、高レベル放射性廃棄物の最終処分場です。

核燃料サイクルには、最終処分場が必要不可欠であり、この問題を解決せずして、サイクルの推進はあり得ません。

 

そこで、知事が核燃サイクルに協力してきた理由と今後の対応についてお伺いいたします。

 

ア)これまで核燃サイクルに協力してきたことに伴い、本県の地域振興の面で、どのような効果があったのか伺いたい。

イ)知事が関係閣僚への確認要請を続ける理由についてお伺いいたします。

ウ)高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた国の取り組み方針について、県の所見をお伺いいたします。

エ)高レベル放射性廃棄物の最終処分について、国が各都道府県に説明するとの話があるようですが、これまで県に対し、どのような説明があったのかお伺いいたします。

オ)国が、今後、最終処分地の科学的有望地の選定の要件・基準等を示していくとしていることについて、県はどのように対処する考えなのかお伺いいたします。

以上で、壇上からの質問とさせていただきます。

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