県民主役の県政の会 渋谷哲一です。
会派を代表して、一部反対討論を行います。
議案第17号、財産の取得の件、及び請願受理番号第2号
「日本政府がすみやかに核兵器禁止条約に署名し、国会が批准することを求める意見書提出に関する請願書」の不採択に反対をいたします。
同時に、議案第1号から第16号まで、議案第20号及び第22号
報告第1号、
そして、発議第2号及び第3号に賛成いたします。
まず始めに、議案第17号です。
今回、取得される財産は、東通原子力発電所のUPZ圏内14か所に、大気モニタ、オートサンプルチェンジャー付きヨウ素サンプラ、データ収集サーバー等を整備するためのものです。
これらは全て、東通原子力発電所の再稼働を前提としているため、関連予算に反対をいたします。
三村知事は、国に対して、核燃料サイクル協議会の開催を要請し、国は開催を準備しています。
これらの機器を整備する前に、まずは、国の原子力、そして核燃料サイクル政策の基本的な考え方を再確認すべきと考えます。
東北電力東通原発は、未だに「横浜断層」や「基準地震動」の問題を抱え、既に、新規性基準適合審査から6年が経過しております。
また、東通原発を抱える東北電力では、安全対策費が2013年に想定した金額の約3倍に膨れ上がり、約3400憶円に上っています。
また、国の認可法人「使用済燃料再処理機構」は、毎年、六ケ所の再処理工場の総事業費の試算を公表しておりますが、4年連続で試算額は増加し、当初比で約1兆円増の総額、約14兆円になるとの報告がなされました。
原子力発電所を含む核燃料サイクル事業は、多額の資金を必要とし、それらは結局、電気料金として、私たち国民、県民が支払うことになるのです。
安全確保は常に課題となり、使用済燃料の処分にも多額の費用と気の遠くなるような年月を要します。
更に、ひとたび、過酷事故が発生すれば、住民は、自分たちの故郷に住めなくなるのは言うまでもありませんが、知事が本県の生業づくりとして取り組んできた、「攻めの農林水産業」や「国内外から選ばれる青森県」への施策は、全て水泡に帰することとなり、その影響は下北半島だけではなく、県内全域に及びます。
原子力は、既に、到底、割に合わない投資になっております。
世界各国は、エネルギー政策の転換を進めております。
多額の国民負担と生命の危険を伴う原子力政策から撤退すべきと考え、議案第17号に反対をいたします。
次に、請願文についてです。
2017年7月7日、国連会議は、核兵器禁止条約を国連加盟国の3分の2にあたる122か国の賛成で、採択しました。しかし、この会議に、世界で唯一の戦争被爆国である日本政府は、核保有国と歩調を合わせ参加しませんでした。
条約は、その前文で、核兵器の非人道性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法に照らして、その違法性を明確に述べています。更に、広島と長崎の被爆者に言及し、核兵器廃絶の必要性を明確にしました。
条文第1条では、核兵器の法的禁止の内容を定め、加盟国に核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵」などの禁止を義務づけ、さらに、「使用、使用の威嚇」などが禁止されています。
第4条では、核兵器保有国や核の傘の下にいる国々が参加する余地をつくり、核兵器の完全廃絶に向けた枠組みが明確にされ、核保有国が条約に参加する道をつくっています。
同年9月20日から条約の署名が国連本部で始まり、これまでに46の国と地域が批准し、発行に必要な50まで、あと4か国となっていました。
マスコミ報道によりますと、今月2日に行われた国連総会では、核軍縮に関する会合が開かれ、70を超える国の首脳や閣僚がビデオ演説で参加し、各国から核兵器禁止条約について発言が相次ぎました。
このうちアルジェリアとジャマイカの外相は、間もなく条約を批准すると表明したほか、リヒテンシュタイン、インドネシア、ペルーの外相も批准に前向きな発言を行い、早ければ、今月にも批准数が、条約の発効に必要な50に達する公算が大きくなったとのことでした。
また、会合では、被爆者が果たした役割にも言及がありました。
「ミキゾウ イワサは、被爆体験を通じて核廃絶の必要性を、生涯をかけて世界に訴えた」と、コロンビアのブルム外相が述べ、国際社会が結束して核軍縮を進めるよう呼びかけました。
また、2017年ノーベル平和賞を受賞した、NGO核兵器廃絶国際キャンペーンのフィン事務局長は次のように日本に呼び掛けています。
日本は、核兵器禁止条約交渉に参加すらしなかった。その一方で、国連で核廃絶決議を長年提出している。言葉だけではなく、行動が求められています。
唯一の被ばく国というだけではなく、今も、「核の傘」に守られている日本が核を拒絶すれば、甚大な影響があります。日本の条約への参加という行動は、米国の同盟国が雪崩を打って同調する転換点となりえます。
日本の世論調査では、7割を超える方々が条約への参加を支持していますが、核問題に関しては、民主主義国家であるにもかかわらず、政府が国民の声に耳を傾けていない。日本国民、特に被爆者は、核兵器がどのようなものかを誰よりもよく知っています。
今後は、50か国にとどまらず、全ての国が参加するまで、力を尽くしたい。と訴えております。
条約批准まで後僅かです。
今回提出された請願書」を青森県議会で採択し、平和を願う県民の意思と被爆者の思いを受け止め、日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求めるべきです。
議案第1号、令和2年度青森県一般会計補正予算案は、約433憶円。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策と医療提供体制の整備、社会経済活動の早期正常化と成長基調への転換に向けた取り組み、県民の暮らしの支援や新しい生活様式の推進を図るための大規模な予算となっており、厳しい暮らしを少しでも守っていくため、速やかに執行されること付して、賛成いたします。
医療体制では、事態の長期化に備えて、また、今後起こり得る第2第3波に備え、現在は、準備期間との認識で、来るべき事態に万全を期していただきたいと思います。福祉施設や、介護施設では、命を守る取り組みが続いています。
県として、これらの施設が継続でき、利用者の命を守るためのサポートをお願いいたします。
また、県内企業の事業継続や雇用の維持は、最大の課題です。市町村との連携を強化し、事業者や働く方々に寄り添った対応をお願いいたします。
特に今回の補正予算では、外部委託などが多くみられ、適正な執行が求められるとともに、厳しい経済環境の中、県内の事業者がこれらの事業の一翼を担い、共に、県民の暮らしを守る活動に参画してくださることを切に願い、
一部反対討論を終わります。