10月12日午後0時、フランス原子力庁、国際本部、日本・中国・オーストラリア担当のパスカル シュックスさんとフランシス リネさんが出迎えてくれました。
CEAは、未来のエネルギーの開発に全力を尽くします。
なぜ、未来のエネルギーなのか?
CEAは、3.11の福島の過酷事故以来、2つの使命に挑んでいます。
1つ目は、福島の事故から友人である日本を支え、勇気をもって克服するための支援することを努力し続けます。
2つ目は、私たちの高度な技術を提供し、フランスと世界各国で起こっているエネルギー問題の議論に貢献し、達成可能な最善のエネルギーパッケージを作り上げることです。
今日、全ての人が認識しなければならないのは、原子力発電をあきらめるのではなく、原子力と再生可能エネルギーを共に支え合うことです。全ての原子力発電がどのような自然の猛威や人工的問題の中でも、完璧に安全に運転されることを保証することです。そして、一日も早く原子力と地球温暖化を促進する化石燃料への過度な依存に終止符を打つことです。
1970年代、石油ショックのため原子力の比率が拡大しました。
現在、発電の比率は、石油11%、原子力77%、再生可能エネルギー12%です。
石油の11%は、対外貿易赤字となっております。
フランスは、電気を隣国に輸出しておりますが、ヨーロッパとしてのエネルギー政策は存在せず、ただ、送電網によってヨーロッパは、繋がっております。
各国は、独自のエネルギー政策を展開していますが、影響を及ぼし合っています。
エネルギー保障の問題と経済や二酸化炭素などの環境問題への影響など、これからヨーロッパの枠組みと規制が必要です。
特に、環境への影響を考え、2011年から2050年までに海外からの輸入を減らし、化石燃料を減らしていきます。
福島の事故の影響は、現在ではありません。
フッセンハイムの原発は、古いので廃炉としますが、基本的には、フランスの原子力政策は、これまで通りです。
ただ、安全性に関しては、以前より注視されていますし、代替エネルギーの強化が進められています。
当然ですが、化石燃料は減らし、再生可能エネルギーは増やし、原子力は現状を維持します。
オランド政権が表明した原子力の50%への縮減は、原子力を減らすということではなく、これからの経済成長にともない、エネルギー・電力需要が増え、原子力は現状を維持していくため、結果的に全体の供給の50%となるということです。
これからの原子力政策には、規制当局(ASN)の信頼、そして規制当局と事業者の情報の透明性の確保が重要です。
規制当局は、原子力に対する警察のような存在でなくてはなりません。プロセスの透明性と独立性が必要です。
私たちCEAも、常に規制当局に監視されています。
シラク大統領(当時)が、2006年1月に「原子力安全、放射線防護及び情報公開を監視する独立機関」を設置する方針を出し、独立した原子力安全の高位機関を設置する措置が原子力安全。情報開示法案に盛り込まれました。議会審議を経て、同年6月13日、「原子力に関する情報の透明性と安全防護に関する法律」が成立し、原子力安全規制の根拠が法的に明確にされました。
この法律により、ASNを独立行政機関として政府から切り離すことが規定されたのです。
フランスも30年以上かけて独立性を高めてきました。この法律は世界に類を見ないものです。
日本の細野大臣(当時)とも、日本でどのような原子力規制庁を作るかの情報交換を行いました。
日・仏・米の規制庁は、情報を共有していかなくてはなりません。規制のみではなく、各事業者の安全文化を高めていく事が大事です。
また、フランス電力と日本の電力会社の情報交換も必要です。
今月には、日仏の閣僚間で、核燃サイクルの推進の確認をします。
来月には、パリにてN20が開催され、日米双方からそれぞれ10名の原子力関係者による高レベル会議を行い、情報交換を行います。この会議は、毎年開催されています。
規制側と事業者側でも、情報の共有が大事です。
これからも、日仏で、共に、原子力の安全性と情報の透明性を追求していく事が必要です。人類のエネルギーの未来のために!