1 原子力政策について
(1) 脱原発政策の推進について
(2) 核燃料サイクルの中止について
(3) 高レベル放射性廃棄物の搬出期限の法制化について
(4) 高レベル放射性廃棄物の最終処分地受入れ拒否条例について
2 青森県立高等学校教育改革推進計画について
3 県教育委員会における障害者雇用について
4 本県観光の振興について
5 県庁舎における電力契約について
6 新型コロナウイルス感染症対策等について
県民主役の県政の会 渋谷哲一です。一般質問を行わせていただきます。
まず始めに、
青森県の原子力政策についてです。
青森県は、脱原発、脱核燃サイクル、そして脱高レベル放射性廃棄物最終処分場を宣言し、県民の命と未来を守るべきと考えます。
以下、その理由を述べて、三村知事の考えをお伺いいたします。
まず始めに脱原発です。
福島原発の事故以来、国民の原子力に対する見方は大きく変わりました。特に、事故以前にあった、安全神話は完全に崩壊し、原発は、過酷事故も起こり得る存在となりました。
そのような中、本県には、再稼働を目指す東通村原発、建設中の大間原発、核燃サイクル政策の中核である再処理施設や、むつ市の中間貯蔵施設等、次々と原子力関連施設が建設され日本でも有数の一大集積地となっています。
その一方で、24ページにわたる提出議案知事説明要旨の中で原子力関連の記述は僅か3行、国策に協力し、今後とも安全なくして原子力なし」との姿勢で国、事業者の責任ある対応を見極めつつ適切に対処していく、ということだけです。
明らかに、原子力関連、核燃サイクル政策は、本県の未来を作り上げるための重要な施策とはなっていません。
「攻めの農林水産業」や「Aプレミアム」の推進、国内外からの誘客推進、企業誘致、創業・起業支援など、地域において魅力あるしごとづくり、地域経済を回す仕組みづくりを進めてきたことなどを紹介し、今後、これ以上に「世界に打って出る視点」を強調していましたが、三村知事の進める「選ばれる青森」に、これらの原子力関連施設は、本当に必要なのでしょうか。
リンゴやホタテに代表される青森県。一次産業を主力産業と位置づけた本県の「攻めの農林水産業」というプロジェクトは、国策にも取り入れられているといわれております。豊かな食と文化、自然に彩られ、県民の安全安心を守り、国内外からの誘客により地域の経済を回し、雇用を創っていく。
それこそが「選ばれる青森」への挑戦ではないでしょうか。
県内の原子力施設で万が一過酷事故が起きた場合、三村知事は、どのように責任を取るつもりなのでしょうか。
県民の命と健康、未来がかかっている以上、原子力政策の是非を県民、そして県議会に問うべきです。県民を交えた議論が必要です。
福島原発事故を教訓に、すぐ行動に移したのが、ドイツです。
事故の僅か4か月後、ドイツでは、Energy Concept(エネルギーの基本政策)と脱原子力の方針を具現化する6つの法律と1つの政令(通称エネルギーパッケージ)が連邦議会で成立しました。
エネルギー基本政策に脱原発という新たな柱を加え「Energiewende(エネルギー革命)」という現在に続く政策が形成されていきました。この脱原発政策は、ドイツ国内の停止中の原子炉の即時閉鎖と稼働中の原子炉を2022年までに段階的に閉鎖するという驚くべき政策転換でした。
ドイツのエネルギー基本政策は、2010年に策定された「Energy Concept」
です。これには、地球温暖化対策のための抜本的なエネルギーシステムの改革が定められており、供給の保証、経済的なエネルギー供給、環境適合性の3つの柱からなっており、目標を温暖化ガス排出量を1990年比で2030年には、−55%、2050年には、−80~90%にすること、そして最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギー比率を、2030年に30%、2050年に50%とすることです。
現在、脱原発は順調に進められ、2022年まで、後2年で達成する予定です。
ドイツの再生可能エネルギーの歴史は、2000年の再生可能エネルギー法(EEG)と固定買取制度(FIT)が導入され、系統運用者に対して再生可能エネルギー発電設備の系統接続及び固定価格での買取が義務付けられたことで加速していき、
2019年、再生可能エネルギーが、ついにドイツ総電力消費の42.6%を占め、新記録を樹立しました。
これほどの拡大を遂げた要因の一つにシュタットベルケと呼ばれる、地方自治体の出資による電気ガス、熱、水道、交通などの公共サービスを担う、公的な事業体の役割が挙げられます。ドイツ全体で約1400程度存在し、地域資源の活用や地域の雇用の創出をする地域密着型の事業体です。このシュタットベルケが再生可能エネルギーと結びつき、地方での拡大につながりました。
青森県でも、地域エネルギーと人材を活用し、青森型シュタットベルケが有効と考えます。
勿論、この政策には多くの課題もあります。
特に、3つの課題が挙げられます。国民負担の問題、送電網の拡大、そして、石炭火力発電の問題です。
一つ目の、再生可能エネルギーにおける国民負担の問題は、再生可能エネルギーの買取が増えれば増える程、国民負担も増えていくという課題です。
確かに、ドイツの家庭の電気料金は、EU各国の中でも、一番の高さだといわれております。そしてそれを支えているのが、ドイツ国民の環境に対する意識の高さです。最近の世論調査では、国民の最大の関心事は、気候変動対策のための環境保護であり、2位の移民問題、3位の年金問題を圧倒的に引き離しての1位であることです。国民の地球環境を守っていくという決意が、再生可能エネルギーの普及を後押ししています。
2つ目の送電網の拡充の問題は、風力発電は、主にドイツ北部や電力消費地から離れた場所で行われるため、大消費地への送電が必要です。この問題を解決するための3本の幹線計画がありますが、多額のコストや住民のコンセンサスを必要とするためなかなか進んでいきません。
しかしこの問題にも、明るい兆しが見えてきました。3つの幹線送電網の拡充計画は、約7700km。そのうち1150kmしか整備されていませんでしたが、2019年、新たに、1000kmの整備が認可されました。
そして、3つ目の、地球温暖化ガスを多量に発生させる石炭火力発電所の問題です。当初、ドイツでも、原子力発電は、再生可能エネルギーへの転換のための橋渡し的役割を担う予定でした。しかし、福島の事故後直ぐ、脱原発が決められたため、石炭火力が使われました。ドイツ国内に多くの資源が賦存するため最も安価に電力を供給することができたのです。
この問題への答えは、ドイツの2019年のエネルギーレポートに示されています。
2019年、石炭火力と原子力がドイツの総発電量に占める割合は、約40%です。
その内訳は、石炭火力は、総発電量の9.4%を占め、前年比−13%、ドイツ国内に豊富にある資源で質の低い安価な石炭による発電である褐炭火は、総発電量の18.8%で前年比−22.8%、そして、原子力は、12.4%で、前年比−11.9%です。
このうち原子力発電は、2年後ゼロとなりますし、石炭火力は、1970年代から最低を記録しました。確実にこれらの電源は、その役割を終えようとしております。
その一方で、多くの課題を抱えている再生可能エネルギーは、着実に伸びてきております。
2019年、再生可能エネルギーは、総発電量に対して約40%を占め、その内訳は、次の通りです。
陸上風力は、総発電量の16.8%。
太陽光、7.7%。
バイオマス、8.3%。
海上風力、4.1%。
水力、3.1%となっています。
これからも、再生可能エネルギーを増やしていくというドイツの挑戦は続きます。そして、これらの取り組みは、全て地球温暖化防止対策のためです。
地球温暖化防止対策のため、政治が先頭に立って法律を改正し、国民とともに世界のリーダーとしての役割を果たそうとするドイツ。
日本はどうするべきなのか。
そして青森県は、日本の国策を支援するだけでよいのでしょうか。
昨年12月の第25回国連機構変動枠組み条約国会議(COP25)では、地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に日本とブラジルが選ばれました。
世界では、地球温暖化に歯止めがかからないとの危機感から、脱石炭の流れが決定的になっているにも関わらず、日本は、いまだにCO2を多く排出する石炭火力を推進し、発展途上国での建設に多額の公的融資を続けていることが授賞理由です。
日本の地球温暖化防止対策の戦略が、世界から問われている中、環境経営学会の後藤会長は、企業、地方自治体、若者の3社に期待を寄せており、次のように発信しております。
まず、企業の目の色は変わってきました。転機は、主要国の金融当局が設置した「気候関連財務情報開示、タスクフォース(TCFD)」が、2017年に、地球温暖化が業績や財務内容にどう影響するかを明らかにするよう迫った時だと訴えております。世界で脱炭素経営に向かう流れは強まっており、環境省の集計では、TCFDの原則に賛同する企業の数で、日本は首位となり、事業で使う電力を100%再生可能エネルギーに変える取り組み「RE100」の参加数でも世界第3位となりました。
このような状況下、日本の環境経営学会は、昨年8月、自治体や非政府組織(NGO)などに「気候非常事態宣言」で連携を促す声明を出したことにより、欧米やカナダ、オーストラリアなどで非常事態を宣言する都市が急増し、日本でも、長崎県隠岐市、神奈川県鎌倉市や長野県が宣言しました。
更に、企業の環境対策は進みます。マイクロソフトは、現在の主流となっているCO2の排出をゼロにする「カーボンニュートラル」から、排出量を純減させる「カーボンネガティブ」に取り組むと発表し、データセンターや社屋で使う電力は、全て再生可能エネルギーで賄い、敷地内の移動で使う車は、電気自動車に変え、CO2吸収の技術開発プロジェクトに投資する基金、1100憶円を創設しました。2050年までには、1995年の会社創立以降に出したCO2と同量分の削減に貢献する計画の発表を受け、マイクロソフト社の株価は、過去最高値を更新しました。背景には、企業の、環境、社会、企業統治(ESG)への対応を求める投資家の動きがあったと思われます。
特に、自動車のCO2排出量など、環境規制への対応力が投資家の銘柄選びの基準になってきております。ESGへの取り組みは、業績と並ぶ評価軸になりつつあり、その象徴として、米電気自動車メーカーの「テスラ」の時価総額は、自動車会社で2位になり、対応が遅れた企業からは、投資が遠ざかるようになってきております。
地球温暖化対策では、EUが先頭を走り、世界をけん引しています。人類が住み続けられる環境を守るため、高い目標を掲げ、達成のための努力を続けていますが、その中でも特に注目されているのが、ドイツとフランスの2つのアプローチです。
ドイツの再生可能エネルギーを考えるとき、一つの都市伝説を思い出します。
その都市伝説とは、「ドイツでは、再生可能エネルギーを積極的に導入しているが、ヨーロッパ全土が電力網で繋がっているため、足りない電力は、フランスの原発で発電した電力を輸入して賄っている。」という、少し皮肉めいたものです。多くの県民の皆様も聞いたことがあるのではないでしょうか。
さて、問題は、これが事実かどうかです。
そして結論から言いますと、事実ではありません。
ドイツのエネルギー革命をサポートするシンクタンク、アゴラエナジーベンデは、毎年ドイツのエネルギーの現状を世界に発信しており、2019年版で、電力の輸出入についても報告しております。
その報告書によりますと、ドイツは、2012年から電力輸出国を維持しており、オーストリアが電力の最大輸出国で、次いで、ルクセンブルグとオランダ。
その一方でドイツの電力の最大輸入国はスウェーデンとスイスです。
対フランスでは、輸入11.5Twh、輸出14.0Twhで、トータルで2.4Twhの輸出となっている。報告書の数値が示しているように、ドイツは電力輸出国であり、決してフランスの原発に頼っているという事実はないのです。
では、そのもう一つの国、フランスのエネルギー政策はどのようになっているのでしょうか。
国の政策として原子力を積極的に推進してきたフランスでさえ、今後、電源の多様化を推進するため、原発の比率を現在の70%以上あるものを、50%まで削減しようとしています。
2019.11.12のJETROビジネス短信によりますと、
フランス北西部のフラマンビル原子力発電所に建設中の新型原子力発電所(欧州加圧水型炉)EPRの稼働が当初の計画から10年以上遅れている問題で、原因究明と改善策に関わる報告書が昨年10月28日、フランス電力(EDF)と同社の筆頭株主であるフランス政府に提出された。その内容は、2012年6月の運転開始に向け、2007年12月に着工した、欧州加圧水型炉は、原子力圧力容器に関わる鋼材の組成以上や配管溶接部の欠陥など、複数の問題が見つかったことから建設が遅れ、2019年の10月の計画では、運転開始に向けた燃料装填が2022年末、運転開始は、2023年以降になる見通し。これに伴い、建設総額も33億ユーロから124憶ユーロに膨らむ。
この報告書では、遅延とコスト増大の主な原因として、セキュリティーや資材の品質などに関わる詳細な事前調査が不足していたこと、複数の企業が混在する現場を統括し、監督する権限を持ったプロジェクトマネージャーやプロジェクトチームの設置が遅れたこと、原発圧力容器の品質、耐久性、溶接プロセスなどに関わる規制強化で新たな対策や修理を迫られたことなどを挙げています。
フラマンビル原発の着工以前、フランスでの新規原発着工は、1991年のシボー原発2号機を最後に16年間なく、その間に、フランス電力のプロジェクトマネッジメント能力や部品メーカーの製造能力が低下し、特に溶接の技術や人材を喪失したと、指摘した。
また、自然エネルギー財団によると、フラマンビル原子力発電所の発電コストは、15.6円/kwhとなり、風力、太陽光の約2倍の水準。
EDFは、現在58基の原発、設備容量は、合計で6300万kwに達している。2017年6月30日現在で、310憶ユーロ(約4兆円)もある負債を減らすため、今後は、新設よりも数多く残っている古い原発の運転期間を40年以上に延長する方針。全58基の内2017年11月15日時点で、8割の原発が30年以上経過していて、そのうち半分は35年以上経過している。
ただし、運転延長では、次に掲げる経済面、技術面、安全面の課題が残ります。
① 改修プログラム「Grand Carenage」のコスト試算では、2025年までに合計480憶ユーロ(約6.2兆円)の費用が必要となる。
② 風力と太陽光とを組み合わせて使う必要から、出力の柔軟性が求められるため、設備利用率が低下し、出力を上げ下げすることで設備の消耗が進み、運転維持費が増大する。
③ 2015年エネルギー転換法(French Energy Transition for Green Growth Law)では、原子力発電の比率を、2030年から2035年にかけて50%まで低下させる目標が設定されました。
2019年1月に発表された「エネルギー多年度計画2028年までの中期目標を規定、その草案では、2028年までに陸上風力3140万~3560万kw、太陽光3560万~4450万kwを導入する目標が示されました。
そして、今年1月、フランス政府は、本来の耐用年数だとされる40年に近づいている、または、超えている原子炉12基を、2035年までに廃炉とする方針を確認した。
原子力発電は、もはや、斜陽産業であり、世界の潮流は、風力や太陽光といった再生可能エネルギーにシフトしているのです。
青森県の未来を見据え、脱原発、脱核燃サイクル、そして、脱最終処分場を決断する時ではないでしょうか。
三村知事にお伺いいたします。
世界は、再生可能エネルギーへと大きく舵を切っております。
青森県は、エネルギー政策の方向転換を図り、脱原発政策を進めていくべきと考えます。三村知事の考えをお伺いいたします。
次に、脱核燃サイクルです。
核燃サイクル政策の中心は、「高速増殖炉もんじゅ」でした。しかし、その「もんじゅ」は、1兆円以上の国民の税金を使っていながら当初の目的を果たすことなく、廃炉となり、文字通り「夢」となりました。
もう一つの柱である再処理工場は、2007年に技術的トラブルの発生から、既に13年が経過したものの、今もって運用開始に至っていません。
使用済みMOX燃料は、新設する「第2処理工場」で扱うとされてきましたが、福島原発事故後は、白紙の状態。
2019年フランスと共同で進めていた高速実証炉「アストリッド」については、2020年度予算要求に盛り込まず、打ち切られました。
核燃サイクル政策は、実質破綻しています。
しかも、高速増殖炉計画が廃止となった今、使用済み燃料の再処理は、使う当てのないプルトニウムを増やすだけです。
以上のことから、青森県は、核燃サイクル政策をやめるべきと考えますが、三村知事の見解をお伺いいたします。
次に、高レベル放射性廃棄物の最終処分地受け入れ拒否条例についてです。
六ケ所村核燃サイクル施設では、海外から返還される高レベルガラス固化体が一時貯蔵され、再処理工場では、ガラスか固体やTRU廃棄物などの高レベル廃棄物が作り出されています。
今後、東通原発が再稼働、大間原発が操業すると大量の使用済み燃料がたまっていきます。更に、むつ市のリサイクル燃料貯蔵施設には、大量の使用済み燃料が中間貯蔵され、青森県は、膨大な放射性廃棄物の一大集積地となります。
ところが高レベル廃棄物や、使用済み燃料の最終処分方法については、国における最終処分地の選定及び必要とする安全規制の整備は遅れ、その目途すら立っていないのが現状です。
六ケ所の高レベル廃棄物の一時貯蔵施設における期限である2025年及び2045年までに、あと5年及び25年と迫っているにも関わらず、ガラス固化体搬出の目途どころか、再処理工場内の高レベル廃棄物については、保管期間の定めすらありません。
このような状況のもと、県民には、「このままでは、青森県がなし崩し的に最終処分地になるのではないか。」との疑念と不安が高まっています。
福島原発事故以来、原発の廃炉が続出し、それに伴い、発生する大量の放射性廃棄物の処分が進まないため、放射性廃棄物拒否の声が全国に広まっており、県民の不安は高まるばかりです。
世界自然遺産に登録されている知床半島が位置する北海道は「特定放射性廃棄物受け入れ拒否条例。
鹿児島県の旧屋久町と旧上屋久町は「放射性物質持ち込み拒否条例」を制定しました。
和歌山県白浜町議会は、町内への核のゴミ持ち込みや、貯蔵、処分施設の建設を認めない項目を盛り込んだ「核物質持ち込み拒否条例」を制定し、年間約300万人が訪れる世界遺産「熊野参詣道大遍路」など観光立町の環境を守り続けることを宣言しています。
私たちの住む青森県は、豊かで美しい自然に恵まれ「北のまほろば」と言われ、縄文時代から先人のたくましい努力によって、自然と調和した「青い森」の文化と歴史を作り上げ、今や、世界自然遺産「白神山地」を擁し、2021年度の「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録を青森県は目指しています。
高レベル放射性廃棄物を作り出す再処理工場や原発などの操業、稼働により、これ以上負の遺産を増やさず、青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしないと県民の総意で、国内外に宣言し、よって県民の命と健康、並びに財産を守り青森県の自然と環境を保全することを目的として
「青森県を高レベル放射性廃棄物最終処分地としない条例」を制定すべきと考えます。三村知事の見解をお伺いいたします。
次に、高レベル放射性廃棄物の搬出期限の法制化についてです。
福島県では、高レベル放射性廃棄物の搬出期限について、国の法律に明確に記述させています。
中間貯蔵、環境安全事業株式会社法
(国の責務)第3条で、次のように明記しております。
国は、中間貯蔵、及びポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の確実、かつ適正な実施の確保を図るため、万全の措置を講ずるものとする。
2項 国は前項の措置として、特に中間貯蔵を行うために必要な施設を整備し、及び、その安全を確保するとともに、当該施設の周辺地域の住民、その他の関係者の理解を得るために必要な措置を講ずるほか、中間貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする。
経済産業大臣が変わるたびに本県を最終処分地にしない等の確認をしておりますが、私たちは、それを信じてよいのでしょうか。
県民も疑念を抱き、不安を感じています。
人が変われば政策も解釈も変わります。法律の解釈さえ簡単に変えられる時代です。口約束ではなく、少なくとも国の法律に明記してもらうべきです。
高レベル放射性廃棄物の搬出期限について、法律に明記するよう国に求めるべきと考えますが、三村知事の考えをお伺いいたします。
次に、青森県高等学校教育改革推進計画についてお伺いいたします。
第1期実施計画が、H29年7月に決定し、H30年度から、県内の高校の再編が進められました。
その結果は次の通りです。
青森東高校平内校舎、大湊高校の川内校舎、五戸高校は閉校。
金木高校、板柳高校、鶴田高校、五所川原工業は統合して、西北地区統合校に。
黒石商業高校と黒石高校は統合して、中南地区統合校に。
六戸高校、十和田西高校、三本木農業高校は統合して、上北地区統合校に。
高等学校教育改革推進計画とは銘打っていますが、実際は、県内の郡部からの県立高校の廃校に他ならないのです。
これらの決定までに、県内各地から自治体を中心に、地元高校を残したいという切実な訴えが県に寄せられました。
黒石市議会からは、計画の再考と決定の延期を求める意見書が出され3つの指摘がなされました。
① 4月に5年後の計画案が発表され、その3か月後に決定することは余りにも早急すぎる。
② 存続する学校が都市部に集中しており、オール青森での検討とは言えない。
③ 地域の子供たちの将来を考えると、もっと地方議会や地域住民の意見を聞き、それを踏まえた上で、今後の方向を決めること。
このような訴えは、県立高校が閉校となる各自治体から続出しました。
六戸町からは、県教委が生徒数の減少を再編の理由に挙げているのに、六戸高校より生徒数が少ない高校を存続させ、六戸高校を閉校させる方針に強い不満が表明されました。
板柳町では、今後のまちづくりや地域の活性化に大きな影響がある、との声。
鶴田町からは「意見交換会で出た意見が反映されていない」。
金木高校を応援する会の発起人の一人は、「原案から変わるのではないかという気持ちでいたので、とにかく悔しい、残念だ。提出した1万317人分の署名の扱いからも地域の思いが全く届いていないように思う」。
五戸町では、町立高校に変えても、町に高校を残したいと、町独自に生き残りの道を模索しましたが、重い財政負担という厳しい現実に、ついに存続を断念しました。
これらの地域の想いは、第1期実施計画ではどの様に活かされたのか、疑問が募るばかりです。
そして、いよいよ令和2年度中に、第2期実施計画が策定されます。
今のまま、第2期実施計画が策定されていけば、県内の町村から高校が無くなります。地域から県立高校が無くなれば、地域の未来を奪うことになります。
私は、第2期実施計画は、視点を変えて策定すべきと考えます。
それは、「どのように地域に高校を残していくのか!」という視点です。
そして、その答えは、「地域の高校の魅力化」に他ならないと考えます。
そこで、全国で注目を集めている島根県立 隠岐島前高校の隠岐島前教育魅力化プロジェクトを紹介いたします。
島前地域における教育の魅力化とは、次のように定義されています。
生徒・児童が行きたい(通いたい)、保護者が行かせたい(通わせた)、教職員が行きたい(赴任したい)、地域住民が活かしたいと思う魅力ある学校づくり、教育の場づくりを意味しています。
高校は単なる教育機関ではなく、地域の未来を担っていると得島前高校の魅力化プロジェクトは訴えております。
そして、この取り組みは、全国で広まっている「地域みらい留学」に受け継がれています。
高校を地域の未来と位置づけ、第2期実施計画では、高校と地域の魅力化の視点に立った策定を行い、地元の自治体と高校の生徒や教職員、県教育委員会が力を合わせ、特色ある、魅力ある高校に変え、県内外、国内外からの子どもたちに選ばれる高校を目指すべきです。
そしてそれこそ三村知事が掲げる「選ばれる青森」への挑戦の礎となるのではないでしょうか。
そこで質問いたします。
⑴ 第2期実施計画の策定に向け、第1期計画について検証すべきと考えるが、県教育委員会の見解をお伺いいたします。
⑵ 第2期実施計画の策定に当たっては、地域の意見や思いを反映させるべきと考えますが、県教育委員気合ではどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
⑶ 県立高等学校に県外の生徒も志願できるように取り組むべきと考えますが県教育委員会の見解をお伺いいたします。
⑷ 三村知事は、総合教育会議の場で第1期実施計画に向けた基本的な方向性について理解を示しているが、計画期間内に高等学校の統廃合が劇的に進んでいることに対して見解をお伺いいたします。これが、三村知事の望んだ結果なのでしょうか。
次に、青森県教育委員会における障がい者雇用についてお伺いいたします。
中央官庁の障がい者法定雇用率の水増し問題が発覚して以来、全国の地方自治体の法定雇用率が改めてクローズアップされました。特に、都道府県教育委員会は、法定雇用率の算出基準が教職員を含んでおり、目標達成は難しいとされてきました。昨年の実績でも全国46都道府県の内、法定雇用率を達成しているのは僅か5県で、青森県は法定雇用率を満たしていませんでした。この問題の解決策を求め、昨年末、障がい者法定雇用率を既に達成しているか、達成に近づいている鹿児島県、山口県、そして、島根県の教育委員会を訪ね、調査して参りました。
鹿児島県教育委員会は、法定雇用率を上回っています。全ての県立高校に非常勤の校務補助員2名を配置し、一人は、障がい者で、もう一人がサポート役となり、二人一組で学校の様々な仕事を手伝っています。現在、各県立高校に計58名の障がい者が雇用されています。
山口県では、知事部局では、既に法定雇用率を達成していたため、山口県庁内に「きらめきワークセンター」を設置、県教委のもとに、8名の障がい者とそれをサポートする2名の職員とともに、計10名で県庁内の事務補助を行う、就労支援事業が行われています。
特に、鹿児島県は、H23年当時、雇用率は、1.43と青森県と同じ水準でした。国から指摘を受けた鹿児島県教育委員会は、法定雇用率を上げていくためのプロジェクトチームを立ち上げ、基本計画を策定し、着実に障がい者雇用を増やし、4年目で法定雇用率を達成しました。
目標を達成した現在でも、国の法定雇用率が2.3、2.4、そしてこれから2.5%と上がってきているため、常に危機感を持って、継続して達成できるよう、取り組んでいます。
質問いたします。
⑴青森県教育委員会の障がい者雇用率についてお伺いいたします。
⑵障がい者雇用率の改善に向けた県教育委員会の令和2年度の具体的な取り組みをお伺いいたします。
⑶法定雇用率達成に向け、令和3年度以降も計画的に取り組むべきと考えますが、具体的な達成計画を伺います。
次に県庁舎における電力契約についてです。
私は、昨年の6月議会で、青森県の公共施設における電力契約についての質問をいたしました。電力の自由化が国策として進められている中、青森県の施策が具体的にどのように進められていくのかお伺いいたします。
まず始めに、
⑴ 県の施設に係る電力契約の一元化や入札についてお伺いいたします。
⑵ 電力契約の一元化等に係る他県の実施状況についてお伺いいたします。
次に、新型コロナウイルス対策についてです。</font>
青森県は、これから数多くの課題を迅速に解決していかなくてはなりません。
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策
県内で初めての感染者が確認された時の対応、
既に始まっている小中高等学校や特別支援学校の一斉休業による影響への対応、
更に、自粛ムードの中、深刻な影響を受けている事業者への対応など問題は山積しております。
2月17日には、三村知事を本部長とする新型コロナウイルス感染症に係わる危機対策本部が設置され、2月28日には、危機対策本部会議が開かれ各部局から現状の報告と対策が示されました。
その後の知事のメッセージにより、県立高校において3月3日から春休みまでの間、一斉臨時休業の措置が発表されました。
新型コロナウイルスの感染対策はこれから本格化していきます。
⑴ 危機管理対策本部では、現状をどのように把握し、その対応についてお伺いいたします。
⑵ 特に、県内の自粛ムードが政府の呼びかけによって加速されましたが、緊急的経済支援の検討が必要と考えますが、県の対応をお伺いいたします。
次に、本県の観光の振興についてお伺いいたします。
新型コロナウイルスは、本県の観光産業に大打撃を与えています。これから、青森県として、具体的にどのように支えていくのかを考えていかなくてはなりません。
その一方で、インバウンド対策は、中長期的視点で取り組んでいくべき課題であり、成果を上げていくためには、しっかりとした成長の種を植えていく事が必要です。
昨年末、福島県で北海道東北6県の議員研修会に参加してまいりました。その中で、各道県のインバウンド対策の状況や今後の展開などの報告があり、ブランドとして確立している北海道と東北6県が協力していく必要性が確認されました。
青森県も中国、韓国からの定期便がありましたが、その路線を維持する難しさは、新型コロナウイルス以前でも政治的、経済的理由で感じておりました。
感染が収まったからと言ってすぐに、これらの国々からのインバウンドが直ぐに回復するとは考えられません。コロナショック後の対策が今から必要です。
私は、インバウンド対策では、特定の地域に偏らない、いわゆるリスク分散と、青森県にわざわざ訪れてみたくなるコンテンツのブラッシュアップ、いわゆる魅力づくりが重要と考えます。
そこでお伺いいたします。
近年、東北各県でタイ及びベトナムからの観光が伸びる兆しが見けられます。
⑴ タイ及びベトナムからのインバウンド誘致について、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
⑵ 地域が持つ様々な魅力を活かした観光地づくりが必要と考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。
⑶ インバウンドが本県経済を潤していく事目指しております。観光で経済を回すための取り組みが重要と考えますが、県の取り組みをお伺いいたします。