平成24年11月15日、長崎港からジェットフォイルで約1時間半、福江港に到着し、早速レンタカーを借りました。
EV(電気自動車)のI-MIEVです。
「五島市EV、ITS実配備促進協議会」によって、島には、レンタカー、NPOやタクシー会社に対して、I-MIEVが71台、PHVが2台、そしてリーフが9台の計82台が低料金でリースされております。
この事業は、国から選定され「長崎県EV、PHVタウン構想」として、世界遺産候補を有する五島地域において、EV等とITS(高度道路交通システム)を連動させた未来型のドライブ観光システムを構築することを目的としています。
五島市の中心は、福江島。一周約100㎞の小さな島です。子供たちが、高校や大学進学のために島外へ出てしまい、若者がいなくなるため、人口がどんどん減少しているのです。
農業と漁業で生計を立てており、近年、コールセンターを誘致し、2か所で約100名の雇用を生み出しました。
今後は、マグロの養殖基地として、また、椿油が特産品となっており、資生堂のシャンプーに使われてから需要も増えたため、新たな産業としての期待が高まっております。
島のガソリンは輸送費が嵩むため、他地域よりリッター当たり25円~30円高く、電気も海底ケーブルで長崎から送電されています。
プロジェクトは、雪の降らない島内では、将来に向けた希望の光となるのではないでしょうか。県境に優しいEVで島内の教会や景勝地を巡り、自然を満喫しながらエコの島としてCO2フリーの街を構築し、未来型の地域づくりを行い、他との差別化をしていく事によって新たな価値が生み出されるのではないでしょうか。
EVを始めて運転しました。
静かで力強く、何よりも、環境に優しいということが、旅を充実させてくれます。青い空、青い海を感じながら、道の奥にある堂崎教会に到着しました。これまで育まれてきた歴史に思いを馳せました。
このような環境を青森県でも構築できたら素晴らしいのではないかと思いながら、同時に雪深い冬の青森市を考えていました。
EV用の急速充電器は、7か所15基、約20㎞間隔で設置されています。
普通充電器は、11か所17基で、主に、夜間充電(7時間)のために、宿泊所や飲食店に設置されています。
ITSは、3か所、3基整備し、未来型の観光を目指しています。
まだまだ、EV等は、島民や観光客から充分に認知されていないため、利用者が少ない状況ですが、今後、イベントやPRを通じて、より多くの方々にEVの利点を理解してもらう必要があります。まずは、EVを使ってもらい、知ってもらい、好きになってもらう、ということが第一歩ではないでしょうか。
島全体が、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーによる電力供給と化石燃料を使わない島内の交通システム構築により、CO2ゼロの街を目指していくべきと感じました。差別化となるのではないでしょうか。