最後に、オーダーメイド型貸工場についてお伺いいたします。
先の議員全員協議会に於いて、県は、株式会社サンテクノロジーとの合弁会社設立に至らなかった原因として、サンテクノロジーにのみ問題があったかのような答弁がありましたが、県は、相和物産に大きな問題があったと認識していないのでしょうか。
11月29日付で、相和物産より知事宛に提出のあった文書「合弁会社設立の解消に関する経緯について」は、解消にいたった要因が記載されておらず、県議会の疑問には一切答えず、全く不十分ではないかと考えますが、県の見解をお伺いいたします。
さて、これまでの経緯を、私なりに整理してみたいと思います。
2010年
11月29日:
青森県によると何の予告もなしに、AISが破綻をしました。その僅か、8日後、議会での何の協議もないまま、相和物産が事業を引き継ぎました。しかも、製造業ではない異業種からの突然の参入です。
12月24日:
サンテックが青森県庁を訪問。サンテックより救済を提案し、青森県からは、強く歓迎の意向が示されました。
翌2011年
2月7日:
蝦名副知事(当時)はじめ県3名、21財団1名、サンテック神戸を訪問し、サンテックに3つの提案を行う。
① サンテック単独での買収
② 単独でのリース
③ 50%ずつ相和との共同出資
2月17日:
サンテックが青森を訪問し
① 相和物産との2者会談
② 県、財団との3者会談を行い、最終的に蝦名前副知事から、サンテックと相和物産の50%ずつの共同運営を代診される
2月25日:
サンテックより青森県へサンテック3億、相和3億の出資案と事業計画案を提出
4月14日:
サンテック神戸officeに、青森県葛西課長、相和物産谷川氏が訪れ、サンテックが進めている合弁会社設立準備状況の確認とサンテック提案の工場経費削減案の説明を受けています。この時、青森県は議会開会前(5月中)に合弁会社設立を目指していました。
5月6日:
青森にて、サンテック、相和物産、県、財団の4者会談
5月28日:
サンテックより相和物産に対して、5月6日の4者会談の通り「合弁事業契約書、定款、株主間協定書、出資依頼書のドラフト」送付
6月6日:
県作成の覚書に捺印し、相和物産へ送付。
6月9日:
議会開会前、本会議での新合弁会社説明資料について県からの依頼あり。
① 年目 ▲93百万円
② 年目 ▲23百万円
③ 年目 +119百万円
④ 年目 +79百万円
・今後、採算を良くするポイントは、合理化投資によるランニングコスト低減(電力料金等)、採算性が明らかに違うCFとTSPのミックス改善、更には、リース料の見直し等を考慮しなければならないと報告
6月12日:
県から議会通過のためには、もっと理想的な数字が欲しいと回答
サンテックとしては、実質的な見直しをした結果、改善も含めて、数字を下記に変更し、再提出
同日中:
青森県より、サンテックからの回答数字は結果的に却下され、2月相和物産が旧AISを引継ぎした時に作成した数値を「現在協議中」という条件で、議会に提示する旨の一方的な回答あり
6月27日:
相和物産より対案提示あり。
・ 取締役数7名(相和3名、サンテック3名に、+相和が1名指名)
・ 代表取締役は、常に相和側の取締役
・ 人事担当取締役は、常に相和側の取締役
・ 借入金発生時は、両者が同等の保障をするなど
対等といえない内容でした。
7月1日:
サンテックの主旨は、あくまでも当初の「対等合併」である旨、主張
8月10日:
サンテック神戸officeにて、相和物産との会談
結果的に出席者は、相和物産岡山会長、谷川常務、財団2名、県3名、サンテック1名の4者会談
相和物産側の主張は、
・役員数3対3の話は、確かに覚書に判を押したが相和の基本方針は違う。我々は、もともとそうではない。県の意向もある
・サンテックとは基本的にすべてがかみ合っていない。これ以上の議論は意味がない。
・相和単独での事業運営を前提にしたい。サンテックとの問題は、県側の問題である。
という姿勢のまま、会談は終わり、県は、もう一度、県上層部を加えて検討するので、再度時間調整をさせてほしいとのこと。
9月16日:
東京で、県・財団・相和・サンテックでの4者会談開催
相和物産側から
・サンテックの出資は、20%、役員数1名、社名も再考として、6月6日の白紙撤回が要請
・サンテックが希望するならば、月20千シートのキャパは保障
サンテック側からは、回答保留、近日中に回答
9月28日:
相和物産よりサンテクノロジーへの提案提出
サンテクノロジー様との協調、協業のあり方について、2案を提案させていただきますとして、A案とB案の2案提示
A案:相和物産が翔栄とコラボレーションする事業体へサンテックが参画するという案で、サンテックが蚊帳の外に置かれたような提案
B案:あくまでも、主体は相和物産で、サンテックは、40%の出資にとどめる提案
この提案の時点で、相和物産は、既に、翔栄と新事業体設立を協議中で、サンテックが参加したければ参加させてやるよという内容で、どこにも、相和物産とサンテックの合弁会社設立の覚書には全く触れられていなかったのです。
10月7日:
県からの要請により佐々木副知事はじめ櫻庭部長、担当課長ほかとサンテック社長の会談開催
相和物産から提示された9月28日付の提案書について話し合い
この席でサンテックからは、
・青森に行って皆のいる前で覚書にサインしたのに、守ろうとしない相和物産に対する不信感
・議会を乗り越えるために渋々覚書にサインしたという岡山氏の言動
・A案がそこまで進んでいるのであればそれを壊してまでサンテックは参入する意思はない。
・サンテックと合弁会社設立の協議をしていながら、水面下では、他の事業者と協議をし、それをサンテックにA案として提示する意味が分からない。
・社内では、合弁会社設立は無理だという流れである。こんなむちゃくちゃな経験はない
・来週後半に役員会を開いて、最終判断する
一方、県側からは、
・10月5日相和物産から提案書をもらった
・相和物産の提案は、全く別の提案、唖然とする案である
・岡山氏から聞いたとして、
A案の国内企業は、翔栄である。
サンテックが参加するなら翔栄はウェルカムであるといっている
・サンテックが抜けると根本的に今までの説明が変わるので残ってほしい、もう一度チャンスをくれ、と説得
・マスコミには、うまくいっていると話してほしい。そうでないと大問題になる
10月17日:
県にサンテック職員が訪れ、「合弁会社設立の白紙撤回に関するご報告」を提出。
・ 佐々木副知事に手渡したいとお願いするも、会うことかなわず、担当者に提出
・ 同時に、マスコミにはまだ、話さないでくれと頼まれる
以上が、これまでの経緯だと思われます。
○議会には、ひたすら事実関係を隠し、ただただ順調に進んでいると報告する隠蔽体質
○議会対策に終始し、本来の貸し工場運営の本質論が議論されていないこと
○問題を直視せず、先送りする体質
三村知事、知事が向き合うべきは、県民であるはずです。
全ての情報を県民にオープンにし、県民と真摯に向き合うべきです。
そして、県議会は、県民の思いを預かってきております。
我が民主党は、県政では、少数野党であります。しかし、県政の課題に関しては、常に是々非々で臨んでおります。
国との連携も、県執行部と県議会の間に立って、誠心誠意行っているはずです。
なぜ、隠そうとするのでしょうか。
三村知事、ぜひ、県議会で真摯な議論を交わし、県民に情報を公開し、一緒に考える県政に変えていただきたい。切に、お願いいたします。
最後に、
貸工場の利用企業である株式会社ANOVAの事業計画の妥当性について、県は
どのように認識しているのかお伺いいたします。前のように、議会を乗り切る
ために、数字の調整をしているのでしょうか。
今後、リース料の支払いが滞った場合、どのように対応するのかお伺いいたし
ます。