民主党会派の渋谷哲一です。通告に従い一般質問をさせていただきます。
先ず、平和安全保障関連2法についてです。
私は、我が国は、立憲主義に基づいた民主主義国家であると信じている者の一人です。為政者から、国民の権利を守り、不戦の誓いを明確に示している日本国憲法こそ全てのものにおいて最優先とされなければなりません。
ところが、この法案は、全国で、憲法違反との多くの指摘と、国民の過半数を超える反対を訴える声の中、9月19日未明、参議院本会議において、可決成立されました。
この平和安全保障関連法は、2つの大きな問題を抱えております。
一つは、憲法違反との指摘、そして、もう一つは、抑止力です。
9月21日の日本経済新聞に元防衛官僚で、自衛隊イラク派遣時の実務責任者を務めた柳沢氏のコメントが掲載されておりましたので紹介いたします。
イラクでの活動地域は、「非戦闘地域」とされたが、実際には、武装した群衆に隊員が取り囲まれたり、陸自車両が路肩の爆弾の被害にあったりするなど、緊張の高まる事態が起きた。犠牲者が出なかったのは幸運だった。正当防衛だとしても1発でも撃っていたら戦闘状態に陥る恐れもあった」と総括する。今後、武器使用基準が緩和されることにより「戦闘に巻き込まれるリスクは格段に高まる」とみる。現行憲法下で、戦闘行為を前提とした、隊員の立場を守る法律はない。「現状のまま自衛隊が海外での任務中に過って人を殺傷するなどした場合、隊員個人が刑法上の責任を負う可能性がある」と指摘しておりました。
海外、特にアメリカに向けて国際貢献力をアピールするため、憲法の解釈変更という中途半端な法律を作り、実際、現場に赴く自衛隊員の命や人権を危険な環境に置くことが、本当に国民の代表たる政治家がやるべきことなのでしょうか。
今のままでは、我が国は、他国との戦闘や命を奪い合うことに対する覚悟ができているとは思えません。
なぜ、安倍総理は、国民と真摯に向き合い、正々堂々と憲法を改正して、この法案を成立させる努力をしなかったのでしょうか。
私は、憲法改正そのものに反対するものではありません。時代と共に変わっていくものであると思います。しかし、憲法9条における不戦の誓いは、先の大戦で300万を超える国民の犠牲の上に作られた、私たち日本人の誓いでもあります。私たちは、先の大戦から一体何を学んだのでしょうか。
今回の法案成立により、自衛隊をいつでも、世界中どこにでも派遣できるようになり、日米同盟は強化されて抑止力が高まり、日本の平和と安全は確保されると安倍総理は訴えておりました。しかし、日本そして国際社会の平和と安全を守るために、武力による抑止力を前提とした選択をしてよいものでしょうか。
世界で「抑止力」、すなわち強大な軍事力を持つ国は、アメリカとロシアです。しかし、これらの軍事大国の歴史は、まさに武力による紛争の歴史であり、近年では、テロとの出口の見えない戦いも強いられております。
人類は、他者への無知からくる恐れと、そこから生まれる不信により、これまでも分断、暴力へと発展する歴史を繰り返してきました。私たちは、歴史に学び、たとえ一歩でも力を行使する方向に道を開いてはなりません。
昭和53年、第一回国連軍縮特別総会において、日本の宗教者が世界に向けて平和を呼びかけた言葉を紹介いたします。
「危険を冒してまで武装するよりも、むしろ、平和のために危険を冒すべきである。」
この70年間、平和貢献によって信頼を築き上げてきた日本には、「力の
文化」ではなく、智慧と思いやりを根底とした「いのちの文化」を世界に向けて発信する重要な役割があります。対話と協力を通して世界に貢献する努力を続ける。それこそが相互信頼に基づく真の安全保障であると信じております。
第九条の「戦争の放棄」によって、永久に戦争をしないことを、国の法として宣言したのは、人類史上、初めてのことです。
唯一の被爆国になった日本は、怨みに報いるのに怨みをもってしても問題の真の解決にはならない、という反省の下に現在の憲法を受け入れたのであります。爾来、日本は、ひたすら世界の平和を希求し、平和を愛する諸国民の公平と信義を信頼して、今日の繁栄を見ました。世界が、この日本国憲法に理解と共感を抱き、やがては、同様主旨の憲法を、自ら高らかに宣言する国が世界各地に広がっていく事を切に願っております。
さて、青森県には、陸海空の自衛隊や米軍基地、Xバンドレーダーなど、多くの軍事関連施設があり、ひとたび、集団的自衛権が行使されれば、その影響を受け、周辺に住む多くの青森県民が巻き込まれる可能性があります。
今回、成立した安全保障関連法は、他人事ではなく、まさに私たち県民にいずれ降りかかってくる私たち自身の問題です。
だからこそ、今、国に対して青森県がものを申していかなければ、いつ訴えるのでしょうか。先の大戦がそうであったように、国民が気づいた時には、誰も何も言えない。政治家さえも何も言えない時が来てしまってからでは遅いのです。
質問いたします。
○「平和安全法制関連2法」が成立したことに対して、県民の代表である知事の見解をお伺いいたします。
ひとたび集団的自衛権が行使されれば、県内にある重要施設、いわゆる原子力関連施設も報復の対象となる可能性があります。
○県内の原子力関連施設に対する県警察による警戒警備の状況についてお伺いいたします。
次に核燃料サイクル政策についてお伺いいたします。
この政策は、我が国のエネルギーの自立を支える柱として推進されてきましたが、福島の原発事故以来、国民に広がる原子力に対する不安と不信により揺れ続けております。そのような中、本年8月、六ヶ所再処理工場に於いて発生した安全上重要な機器の故障が発生しました。安全安心が大前提の政策であり、県も安全を前提として協力してきました。今回の事案は、重要な問題と考えます。
○発生時の県の対応についてお伺いいたします。
○また、当該事象の原因究明等の状況と県の今後の対応についてお伺いいたします。
8月31日、総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会の第3回「原子力事業 環境整備 検討専門ワーキンググループ」が開催されました。
使用済み核燃料の再処理等については、新たに創設される国の認可法人が実施主体となり、その法人が、日本原燃に蓄積されている技術、人材、設備などを活用する仕組みが紹介されと聞いております。2020年の発送電分離を控え、自由競争の下で確実に必要な資金が安定的に確保されるための制度的手当てを行うこと、そして、日本原燃とは別の新たな法人を設立し、外部から効率化を促す仕組みを組み込むことを目的としております。
これまで積極的に、国策に協力してきた青森県としても、体制の見直しは、県の今後の協力の在り方にも影響を与えるものと考えます。責任の所在はどこになるのか、財政上の問題はどうなるのか、また、青森県が重視している地域振興にどのような影響があるのか、などなど、知事としても心配していることと推察いたします。
○国において検討されている核燃料サイクル事業の実施体制の見直しについて、立地県の知事としての見解をお伺いいたします。
現在、実施主体である日本原燃は、本社を六ヶ所村に置き、関連企業を含めると、県内で働く5563人中、約75%が地元採用の、地元企業となっております。今後も、地域振興の中心となってもらうためにも、今回の実施体制の見直しに当たり、地域からの声を国に届ける必要があるのではないでしょうか。
検討結果がどのような結論になろうとも、核燃料サイクルという国策事業と、かかわり続けていかなければならないのは青森県民です。現場の声を無視して事業を進めるべきではありません。
検討が終わり、結果が出てからではなく、検討段階の今だからこそ、県民の意見、意思を国に訴える責任があるはずです。
○そこで、核燃料サイクル事業の実施体制の見直しについて、県として国に対し説明を求めるべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。
次に、雇用・労働政策についてお伺いいたします。
国会が安保法案で騒然としている中、労働者派遣法改正法が成立しました。この法律は、これまで派遣期間の上限を原則1年(最長3年)としていたものを、3年ごとに人を入れ替えれば、事実上、無期限に派遣の受け入れが可能となり、「生涯派遣」の若者を増やすことにつながるものです。
ヨーロッパでは、正社員と派遣社員の均等待遇が原則となっておりますが、今回の法案では、均等待遇が義務化されておらず、正規、非正規の格差がますます拡大し、不安定な雇用を助長するものと危惧されております。
今回の改正法は、雇用の拡大を最大の目標として掲げている青森県の取り組みに逆行するものです。若者が、安定して安心して働ける青森県を築いていくことが、人口減少をくい止める切り札にもなるものと思います。
そこで質問いたします。
○有効求人倍率が過去最高の水準となっておりますが、その要因と県の取り組みについてお伺いいたします。
○また、過去最高水準ではあっても、他県では、軒並み1.0倍を超えております。本県も有効求人倍率1.0倍以上を目標として雇用対策に取り組むべきと考えますが、県の認識をお伺いいたします。
○県民の生活の安定には、雇用の安定、非正規職員の正規雇用化が重要と考えますが、県の考え方についてお伺いいたします。
○労働者派遣法の改正により派遣が常態化しかねない状況になると考えますが、県の認識をお伺いいたします。
次に障がい者雇用についてお伺いいたします。
障がい者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障がい者を雇うことを義務付けております。
民間企業は、2.0%、そして公的機関と独立行政法人は2.3%です。
法律の遵守は、公的機関の責務でもあります。
ところが、まだ、本県では、青森県 病院局と青森県 教育委員会が、法定雇用率を満たしておりません。
まず、県 病院局にお伺いいたします。
○県 病院局の障がい者雇用率が法定雇用率を下回っていますが、その現状と改善に向けた取組についてお伺いいたします。
次、県 教育委員会にお伺いいたします。
○県 教育委員会の障がい者雇用率の推移及び取り組みについてお伺いいたします。
○他の都道府県の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
○県 教育委員会では、障がい者雇用率の改善に向けて、今後どのような取り組みを実施していくのかお伺いいたします。
次に、本県公立学校におけるいじめ対策についてです。
近年、全国で、いじめを苦に自殺する子供が後を絶ちません。
子供を失った親の悲しみと苦しみ、友を失った子供たちの心の傷や、いじめた側の子供たちの苦しみなど、周りのすべての人々を不幸にしていくことになります。
残念ながら、現時点で、いじめを根絶するのは非常に難しいと思われますが、県としては、いじめが重大事案になる前に早期に発見し、早期に対処することが最善の策ではないでしょうか。
そこで、私は、スクールカウンセラーを各小学校に、一人ずつ配置することを提案したいと思います。勿論、県単独で一朝一夕に実現可能なわけではありません。しかし、現在のスクールカウンセラーは、非常勤で、学校に週に一度、派遣される程度です。これでは、学校全体の空気や人間関係もわからず、問題が深刻化してからの対応となります。
小学生は、まだ心が不安定で、他からの影響を受けやすく、問題に巻き込まれやすいのです。各小学校に、体のケアをする養護教諭がいるのと同じく、心のケアをするスクールカウンセラーが必要です。特に、心のケアが重要な時代ではないでしょうか。
そこで質問いたします。
○本県のいじめの件数について、お伺いいたします。
○スクールカウンセラーの配置状況及び活動状況について、お伺いいたします。
○スクールカウンセラーが対応した相談内容とその件数について、お伺いいたします。
○スクールカウンセラーには、どのような資格等を持つ方がついているのか
お伺いいたします。
○全国の自治体の中で、学校に常勤のスクールカウンセラーを配置している事例があるのか お伺いいたします。
また、ひとたび、いじめが深刻化したとき、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの連携が重要です。
○スクールソーシャルワーカーの配置状況及び活動状況について、お伺いいたします。
○スクールソーシャルワーカーが対応した相談内容とその件数について、お伺いいたします。
○スクールソーシャルワーカーには、どのような資格などを持つ方が ついているのか、お伺いいたします。
次にごみの減量及びリサイクルの推進について質問いたします。
青森県は、ごみ排出量削減やリサイクル率向上の指針となる「第3次県循環型社会形成推進計画」の素案を発表しました。本県の一人一日当たりのごみ排出量は1069gで全国ワースト2位、リサイクル率は、全国44位と低栄しております。
やはり問題解決には県民の意識啓蒙こそが重要と考えます。
私は、そのためには、ごみの有料化が必要だと思います。すべてのサービスにはコストがかかります。受益者負担が県民の意識を変えてくれるのではないでしょうか。
○県内市町村における家庭ごみの有料化の実施状況についてお伺いいたします。
○市町村に対して、家庭ごみの有料化の導入など、ごみの排出抑制やリサイクル推進に有効な施策の導入を促していく必要があると思いますが、県の対応についてお伺いいたします。
次に、防災対策についてです。
台風18号の影響による関東・東北地方の記録的豪雨は、自然の猛威を人の手で防ぐことはできないということ、そして災害が発生した場合の危機管理の難しさを、改めて教えてくれました。
今回の鬼怒川氾濫では、常総市が災害対策本部を設置したのは、上流の茨城県筑西市で危険水位に達してから、約2時間30分後、そして、決壊地区を含む鬼怒川東側全域に避難指示が出たのは、堤防決壊から2時間以上も後のことでした。
遠くで防災無線が、なっているのはわかったが聞き取れなかったという人や、避難指示を知らずに車で出かけ、冠水した道路に突っ込みかけた人など、状況把握ができないまま被災した事例が数多くありました。また、あれだけマスコミでも災害情報を流していても逃げ遅れた住民が多数となりました。
本県でも、大規模災害時の危機管理を改めて見直すべきではないでしょうか。
まずは、住民一人一人に情報が届く仕組み作りが必要と考えます。
そこで本県でも始めているという携帯やスマホへのメール通知サービスについてお伺いいたします。
メールによって、住民一人一人に災害や気象情報を早い段階から提供し、避難に対する心の準備を促し、正しい情報で安全に避難を誘導する仕組み作りが必要です。
まず、河川出水時の避難対策についてお伺いいたします。
○出水時の河川水位情報通知サービスの内容と登録状況についてお伺いいたします。
○今後、登録者を増やすための取り組みについてお伺いいたします。
青森県には原子力関連施設が集中しており、緊急時の避難対策として、近隣地域住民に適切な避難行動を促すことが必要です。そのために、どのように正確な情報を継続して伝達出来るのかが最大の課題だと思われます。不安がパニックを誘発し、事態を悪化させます。刻一刻と変わっていく災害情報を、気象状況や時間帯にかかわらず、地域住民一人一人に、いかに、確実に伝えていくのかが問われております。
○東通原子力発電所の原子力災害時に於いて住民に必要な情報はどのように伝達されるのかお伺いいたします。
○原子力災害時には、伝達手段の多様化が必要と思われますが、県の見解をお伺いいたします。
次に林業振興についてお伺いいたします。
本県の林業では、安い外材の輸入や住宅等に県産材が使われにくいなどの理由から、木材価格が長期低迷し、結果として、林業就業者の減少や高齢化を招き、製材加工施設も減少し続けてきました。
その一方で、地球温暖化対策として、また津波や豪雨等による自然災害が頻発しているため、防災の観点からも森林整備が求められております。
そのような中、六戸町に大型木材加工施設が誘致され、今後、本県の林業振興に大きな貢献をしてくれるものと期待しております。県内の原木を県内で加工し、県内外に供給していくシステムが構築されれば、青森県の森林整備も促進されていきます。そこで質問いたします。
○まず、本県林業の現状について県はどのように認識しているのかお伺いいたします。
○林業の振興を図るためには、県産材の利用促進が重要と考えますが、県は、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、運転免許の自主返納制度についてです。
先般、高齢者による高速道路の逆走が報道されておりました。幸い、大事故にはいたりませんでしたが、最悪の場合、多くの人々を巻き込んでの死傷事故となります。高齢者の運転免許自主返納は、本人だけの問題ではなく、家族が直面する厳しい課題です。
本人がまだ大丈夫だと思っていても、家族の心配は、年を追うごとに高まります。周りを巻き込んだ不幸な事故を未然に防ぐためにも、県としての取り組みが必要です。
○県内における高齢運転者による交通事故状況についてお伺いいたします
○県内における高齢運転者による運転免許の自主返納状況についてお伺いいたします。
○県警察として高齢者運転による運転免許の自主返納を高めていくための取り組みについてお伺いいたします。
次に、市町村の広域連携についてお伺いいたします。
急激な人口減少と消滅都市に象徴されるように、人口はこれから都市部に集中していくように思われます。将来、地方が存続していくために、市町村単独で生き残りを図るのではなく、あくまでも、広域に連携し、役割分担をしながら、得意分野の選択と集中による磨き上げを目指すべきと考えます。
まず、地方版総合戦略における広域連携についてです。
○各市町村では総合戦略をいつまでに、どのように策定する予定なのか状況をお伺いいたします。
○地方版総合戦略においては、広域連携の視点が重要と考えますが、県では、戦略策定における市町村の広域連携をどのように推進していくのかお伺いいたします。
また、定住自立圏構想についてお伺いいたします。
○県内の定住自立圏等の形成状況及び形成している圏域での主な取り組みについてお伺いいたします。
○県は、定住自立圏等を形成していない圏域に対して、どのような取り組みをしているのかお伺いいたします。
最後に、今定例会で行われた一般質問の中で、甲子園において三沢商業高校の応援の様子が伝えられました。
その中で、大事な場面では、知事の背中ばかり見ることになったとの話があり、その場面を思い浮かべながら目を細めておりました。
更に、次の応援では、知事の横に座り応援したいとのことでしたが、その発言の最中、議場から知事の前に座るべき、との声が上がり、私は、我に返りました。
これは、野球の話を借りて、私たち議員に問題提起しているのではないか。
青森県議会の在り方を訴えているのではないか。
県民のための政策は積極的に、反対すべきことは県民にしっかりと説明をし、県政を一歩でも前に進めるため、議員としての任期を、誠心誠意取り組んでいく事を改めてお誓い申し上げ、檀上よりの質問を終わらせていただきます。